転職支援事例『64歳の転職。日本企業のシニア採用についてご意見・提言を頂きました』
人材コーディネーターの原田です。
このたび、64才のTさんの転職支援を担当させていただきました。
Tさんは、長くメーカーに勤務され現場の仕組みづくり・改善業務のスキルがあり、海外勤務の経験も豊富な方。
何より働く意欲があるので、山形県内の大手企業も中小企業でも活躍できるに違いないと紹介活動を行ったところ、ある企業との顧問契約の可能性を探っていたところ、ヘッドハンティングされ再就職を果たされました。
残念ながら、私どもからの企業のご紹介は出来ませんでしたが、Tさんに、今回の転職活動についてご意見を伺ったところ、「日本企業の高齢者採用」の視点から文章をお寄せくださいました。
示唆に富む内容ですので、そのまま全文を掲載させていただきます。
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キャリアクリエイトさんには当方が64歳という年齢でありながら山形の企業に対しての就活の協力を頂き大変ありがたく思っています。ただ、一般的な日本企業の高齢者の就活に関して思うことは下記の通りです。
1)政府から年齢制限を設けないようにと指導されているから、求人情報に年齢制限を入れてないだけで実際はやはりある。仙台地区は書類審査だけで落とされ、面接にすら至らなかった。0勝3敗。
それであればきちんと年齢制限を入れてほしい。こちらも望みのないところに対して期待し返事を待つのが無駄になる。就活が遅れる。
政府が言ってきたから仕方ない。見かけだけ年齢制限をなくすか。といった意味のない忖度文化が招いた悲劇。
2)年齢制限を設けないのであれば、履歴書にも年齢を載せないことにするべきです。欧米はそうなっています。ちゃんと面接して物理的な年齢が高くても実際若々しい人でスキル、キャリアがマッチすれば採用される。これが真の平等。
3)我々だけでなくリーマンショック等で我々の先輩も年齢で切られスキル、技術、経験のある人材が中国や韓国に流れた。日本の技術流出がこういった日本の古い平等の観念による不平等で起きているのが分かっているのになぜ歯止めがかからないのか?大変疑問である。
年齢とか性別でなく、きちんと能力に合わせた評価をすることが欧米流の機会平等であり、物理的に同期全員痛み分けで今後再雇用しないみたいなやり方は日本にしか通じないローカルルールの平等である。
4)これから企業がジョブ型に変革していく方向であれば60歳を超えた人材に対しても健康であり、若い人より優れた経験、スキル、技術があればきちんとした雇用機会を与えられるできであると思います。そういう感覚がない中でまた政府がジョブ型へと言っているから仕方なく忖度、、、。
これではますます改悪になり日本企業の存続にも影響を与えかねないと思います。
5)東京の一部の企業ではこれに気づき年齢よりスキル、経験を優先してくれるところがありました。そこに拾われました。残念ながら山形以外の東北は日本の古いしきたりのままであると思います。
6)人材派遣業、ヘッドハンティングに従事する方々にはこの日本の古いしきたりを変える動きを継続してほしい。当方がこの日本に蔓延するエージハラスメントに今回挑戦したように。
7)この古臭い東北の環境下にあってキャリアクリエイトさんは年齢の壁を作らずに対応していただきました。今後も継続していってほしいと思います。
山形の企業の”下町ロケット”の実現のためにも。大変ありがとうございました。
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Tさんは、これまでの業務経験と海外経験を生かした仕事に就かれます。先方からは、「求める人物像に120%マッチしている」との評価を頂いたそうです。
少しでも多くの企業に、経験豊富な高齢者の活用を検討していただければと思います。
これまで新卒で入社した会社一筋で働いてきたTさんが、他社でもその力を発揮できることを証明していただき、やがては山形の企業で、その経験を生かしていただける日を夢見て、これからもお付き合いしていきたいと思っております。