提言の広場「人材の採用と定着」に田中が出演しました。

採用マーケターの田中です。
山形経済同友会が、民間違憲の行政への反映をはじめ数多くの政策提言を行い、世論の喚起・啓発を行う番組『提言の広場』第2760回 人材の採用と定着に出演させて頂きました。(2025年1月18日放送)
・山形大学 キャリアサポートセンター長の松坂先生、(株)ティスコ運輸 代表取締役 菅原様と一緒に出演させて頂きました。
田中からは、こんな話をさせて頂きました。
◎企業の採用傾向や学生の就職活動においての現状
・新卒就職する学生の数は多くないが、採用したい企業は多いので売り手市場。本気で攻めいないと欲しい人材は獲得できない。
・コロナ渦を経て、学生が合同企業説明会に行くことが当たり前でなくなったり、、都会の大手企業がオンラインを駆使して早い時期から地方の学生にもアプローチしたりと変化が大きく、特に新卒採用は毎年トレンドなどが目まぐるしく動く。
・一昔前の「人が余っていた時代」と同じ毎年同じやり方を続けるのではなく、これまでの採用活動のあり方を変える勇気を持つというのが大事。
例えば、「うちの会社への志望度が低いから」という理由で、合格不合格の基準にしていたりするケースが多々あります。「はじめから志望度の高さで、ジャッジする」のは、恋愛で例えると、合コンで会って間もないのに、「私のどこが好き?」と聞くようなもの。これって野暮。志望度を高めるのは採用担当者の仕事。
これは一例ですが、採用担当者も最終意思決定を行う経営者も、無意識に今まで当たり前にやっていたことに、当たり前とされていた考え方や価値観が劇的に変化するんだ、という前提にたつことが求められている。
◎採用のテクニック
1・求める人物像を明確に具体的に決めて狙って行くこと。採用活動の候補者集めは、マーケティングと同じ。まず誰に一番刺さってほしいのかを明確にする。これを山形の会社さんに伝えると、『そだな、選べる立場でもないし、来てくれるだけありがたい』と言われるケースが多く、『ただでさえ応募が少ないのに、さらに絞り込むのは怖い』と感じたりするのかもしれないが、求める人物像を明確にするのは、『絞り込むんじゃなくて『相手に刺さる』ため。刺さると出会いやすくなる。出会うことができたら、みんなと会えば良い「狙っていくこと」と「来てくれた人みんなを受け入れる」は両立する。
2・口説く力。「口説く」と言っても、無理やり引っ張ってくるのではなく、採用担当者が様々な情報提供することを通じて最終的に候補者が「自分で入社を意思決定する」ことをサポートすることを指す。
・面接をジャッジの場にするだけでなく、採用担当者が求職者と共に共闘する姿勢や、半分人生相談に乗り、本気で求職者の人生に向き合うなど、『応援する姿勢』で向き合うと、会社への信頼感、一緒に働きたい気持ちにも繋がる。
3・都会の大手企業と同じ土俵で戦わない。弱者の戦略。
◎ローカルで採用の土壌を醸成するには
・「山形で働きたい」そして「この会社で働きたい」という2つのファンを増やす。 というのが大切。
・まず今いる人に自分の会社のファンでいてもらい続けること。そうすると、リファラル採用といった社員からの紹介で採用に繋がる可能性もある。口コミの力は大きいので、とても重要。
・以前「山形は都会と比べて旧態依然としている。ピンとくる企業がないといっていた」学生がいたが、山形の社会人を「山形で働く幅広い意味でのOB」と捉えて、「実際山形ってどうですか?」とざっくばらんに対話する活動を行った結果、「山形は何も生まれない場所でなく、面白い活動をしている人がいて、新しいものが生まれている」と新たな山形に対する価値観を獲得し、就職活動でを山形ですることを選び、山形に就職した人がいる。
就職活動が本格化する前に、こういったナナメの関係で気軽に関わる機会をもっとづくっていくことで、企業側も学生の実態も感じれるし、そこで緩やかな継続的なつながりも生まれるし、最終的に採用という刈り取りがしたいのであれば、山形で働きたいという気持ちを育む「水やり」ていうのを、みんなでやって行くことが重要。
松坂先生のご提言、ティスコ運輸さんでの取り組みも学びが多く、大変勉強になりました。
このような機会を頂き、ありがとうございました。