転職支援事例「Uターンを急ぐのを一旦やめました」
今回は、「転職を成功」させたお話ではありません。
「転職成功」ではないのですが、キャリアカウンセリングを通して、自分の気持ちを見つめ直して、より主体的にご自身のキャリアについて考えることが出来たようです。
ご自身のキャリアについて悩まれている、若い世代の方にお伝えしたいと思い、ご本人からのメッセージを匿名で掲載します(原文ママ)
「私は高校卒業と同時に山形を離れ、他県の大学に進学しました。この時は、山形を離れる寂しさよりも、未知の世界へ飛び込むワクワク・キラキラした気持ちでいっぱいでした。大学3年生の時の就職活動でも、山形へ戻ることも考えなかったわけではありませんでしたが、大学で学んだこと(食品系のコースで分子生物学を専攻)を活かせる職業に就きたいと思い、地域を絞らずに食品系の企業を何社か受け、北海道の企業に就職することとなりました。
北海道へ行く時は、新社会人として頑張るぞという気持ちと、ほんとにうっすらといつかは山形に戻りたいなという気持ちとが入り混じっていたと思います。
就職して1年目の3月に東日本大震災が起き、北海道にいる自分は、東北にいる家族や友人に何もしてあげられず、無力さを痛感し、この頃から山形に戻りたいという気持ちが強くなっていきました。また、山形を離れて年月が経てばたつほど両親への感謝の気持ちや、山形への愛着が増していき、山形で転職したいという気持ちがどんどん増していきました。しかし、せっかく正社員として入った会社ですし、少なくとも3年は働こうと考えていたこともあり、山形へ戻りたい気持ちもあったものの社会人としての知識を身につけようと気持ちを切り替え、とりあえず数年は働くことにしました。
また、言い訳にしかなりませんが、転職活動をしようにも仕事が忙しく、転職活動と仕事を両立させることができず、どんどん時間が過ぎ去っていきました。働いていくうちにやりがいを感じたこともたくさんありましたが、心の中には常に山形に戻りたいという気持ちがありました。同期もどんどん辞めてしまい、先が見えない不安も出てきて、精神的にもつらいと感じていた5年目の冬、異動の話が出ました。異動先は、私の苦手とする仕事をする部署で、この時に「タイミング的に転職して山形に戻るなら今なんじゃないか!」と思い込みました。
本気で転職活動を始めよう、山形へ戻ろうと強く決心したものの、一人ではなかなか転職活動を進められず、相談できる人も少なく、思い悩んでいました。いろいろ調べているうちにキャリアクリエイトさんのサイトにたどり着きました。現状打破したい気持ちで、藁にもすがる思いでメールを送ったところ、原田さんからお返事をいただきました。お電話でもたくさんお話を聞いてくださいました。
その後、帰省に合わせて原田さんにお会いし、直接お話しさせていただき、自分はどうして山形に戻りたいのか、どうして転職したいのか、何がしたいのかを深く考えるきっかけをいただきました。
原田さんとお話しした後で、気づいたことがありました。それは、山形へ戻りたい気持ちは、今の仕事がうまくいっていないから逃げたいという気持ちからきているのではないかということでした。明確にやりたいことがあるわけでもなく、そんな気持ちで転職してもうまくいかないかもしれないと思いました。きっと原田さんはそれに気づいていて、今の仕事から学べることもたくさんあるから、転職は焦らず、学べることをたくさん学ぶようアドバイスしてくださったのかもしれません。
その後、仕事への取り組み姿勢が格段に前向きになり、もう少し続けてみよう、学べることを学んで自分の知識・経験を増やそうという気持ちになれました。原田さんにお会いする前までは、早く転職して一日も早く山形に戻りたいと思い詰めてしまっていましたが、焦らずもう少しゆっくり将来のことを考えようと思い改め、転職を急ぐのを一旦やめることにしました。気持ちの余裕もできて、自分でも少し成長できたと感じることができました。
ひとまず、転職を急ぐのは辞めましたが、将来のことを考えたり、地元に帰ってきて家族や山形に住む友人たちと話すとやっぱり「あー山形に戻りたいな」という気持ちが出てきます。仕事でつまづいた時もあー戻りたい!って思ってしまいますが(笑)。
自分がどうしたいのか、どうなりたいのかをゆっくりじっくり考えて、焦らず道を切り開いていこうと思っています。
これからも原田さんにはたくさんお世話になると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします!
(20代女性・Bさん)
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今回は、Uターン転職の相談いただきましたが、「転職しない」という結論になりました。
焦らずじっくり考えて、また「タイミング」が来たら、いつでも頼って欲しいなと思います。
私たちは、「本人が自律的に動けるように支援する」というキャリアカウンセラーとしての基本を大切にしています。ですから、無理に転職をすすめることはありません。
「相談する」のよいところは、「客観的な視点」が得られたり、「新しい自分の気持ちの発見」の気づきにつながりやすいところ。
1人で考えて、思いつめてしまっているー
そんな時は、相談してください。
いつでもお待ちしております。