オールむらやま若者定着推進会議で講演しました。
2021年11月8日に村山総合支庁講堂で開催された会議で講演をさせていただきました。
この会議は「地域の維持発展に不可欠な若者の定着を促進するため、産業・学校・行政・金融・労働の各界が危機感を共有しながら意思疎通を図り、人材の定着・回帰を促進する機運の醸成のため」を目的とし、村山総合支庁長が主催している会議です。
講演を依頼されたときに頂戴したテーマが「若者の県内回帰・定着に効果的な施策」でした。
これまでサクラマスプロジェクトを3年間運営してきて、見聞きしたことを中心に話をさせていただきました。
講演内容を構想したときに浮かんできたキーワードが【ナナメの関係】
ナナメの関係はまだ聞き慣れない言葉だと思います。しかし、文部科学省のホームページにも出てくる言葉です。もともとはNPOカタリバさんが使い始めた言葉で、親・先生(タテの関係)、友達(ヨコの関係)でもない、ちょっと年上の先輩のことをナナメの関係と表現されたのがはじまりのようです。
若者はタテの関係では心を閉ざし、ヨコの関係では同調圧力を感じてしまい、素直に話が聞けません。そこに、ちょっと先ゆく利害関係のない先輩が現れると、その人の話は素直に心に響くという仕掛けです。
では、このナナメの関係が若者の回帰・定着とどのようにつながっていくのでしょうか。
まず、若者がなぜ山形を出ようとするのか?を整理してみましょう。
次に、県外転出した人の気持ちを調査した結果をみてみます。
そして、今回の講演の準備作業として、山形をでて学生生活を送っている若者や県外で就職した社会人一年生にどう思っているか聞いてみました。生の声をお届けします。
山形をでる若者の動機としては、「山形がいや」というタイプと「成長したい」というタイプがあるようです。
山形をでた若者も時を経ると変化していくようです。
若者Uターンを促進するための解決すべき課題はたくさんあります。
例えば、
・賃金が低い
・休日が少ない
・やりたい仕事がない
・性別による役割意識が根強い
・人間関係が濃く狭く、情報が筒抜けで居心地悪い
などなど、どれも一朝一夕では解決がつかない問題です。
そんな中、Uターンも視野にいれている多くの若者が口にするのが
・「情報がない」
・「わからない」
・「◯◯しかなさそう」
といった情報に関する事柄です。
では、若者が「よし山形で働こう、暮らそう」と思える情報とはなんでしょうか?
山形から出る若者は「成長したい」と思っているわけですから、山形にいても「こうして成長できるよ」ということを利害関係のないナナメの関係の人が言うのが効果的ではないでしょうか。
そのための「若手社会人との対話」や「インターンシップ」が効果的と考えます。
これからは具体的な事例をスライドで紹介します。
写真をクリックすれば、関係する外部ページをご覧になれます。
私たちは、これまでは「山形に就職してもらう」という刈り取り作業ばかりやってきたように思います。
土壌づくり、種まき、水やりを忘れてました。
中学・高校生活の中で、地域の大人や地元企業とどうか関わるか(種まき)、学生生活・就職で地元を離れた時にナナメの関係でどうか変わるか(水やり)、そしてこのようなことを学校、企業、行政が有機的に連携して推進する体制づくり(土壌づくり)なのかもしれません。
企業の経営者の皆さんにも、この土壌づくり、種まき、水やりにぜひ力を貸していただきたいと思います。
12月23日(水)に第6回 サクラマスミーティングを開催しますので、ぜひ、ご参加ください。